『量子ゆらぎ』は、量子力学が発見した「不確定性」から導かれる性質のことで、視覚的に理解するために、前回紹介した図を再掲します。
この図は、形而上学的素領域理論を提唱する保江邦夫著「Excelで学ぶ量子力学(CD-ROM付)」のCD-ROMからお借りしたもので、横軸は時間、縦軸はX軸方向を示し、簡易化するためにY軸方向とZ軸方向を除いた1次元の運動を表しています。
その内、上図は量子ゆらぎを持つ電子の自由運動を示し、ご覧のとおりジグザグに動いていますが、下図は量子ゆらぎを持たない古典的な自由運動を示し、等速直線運動をしているのがわかると思います。
さて、より詳しい内容を知りたい方は、ぜひ本書を手に取ってくださればと思いますが、ここでは「電子のジグザグ運動(正式には「ツィッターベヴェーグンク」と言うようです)」にスポットライトを当てて見ていきます。
電子のジグザグ運動は、粒子そのものが持つ不確定性による量子ゆらぎに起因するものですが、別の角度から見ると、不確定性だけでなく、粒性や相関性も大いに関係し、特に粒性は分かりやすいと思います。
形而上学的素領域理論では、空間は分割不可能な最小単位の粒、即ち素領域が集まることで作られ、また素粒子は素領域から別の素領域に転移していく存在であると定義しています。
電子も素粒子なので、素領域から別の素領域に転移していくわけですが、素領域が離散的(とびとび)に分布しているのであれば、当然、飛び石を渡るように、電子の動きもジグザグになります。
イメージとしては下図のようになります。
外側の「□」が真空、内側の「○」が素領域を表し、真空中に素領域が分布しており、素領域から別の素領域(A→H)に転移していく様を表現しています。
もし素領域が一直線上(連続的あるいは一様)に並んでいれば、電子も直線運動するのでしょうが、素領域が離散的に存在しているため、電子も自ずとジグザグ運動になるのですね。
ですからある意味、量子世界の「粒性」によって量子ゆらぎが生まれ、その量子ゆらぎによって「不確定性」が現れるといってもいいかも知れません。
では、量子ゆらぎを意識の側面から解釈するとどうなるのでしょうか? サイポロジー(PsyPology)の醍醐味は量子世界と意識世界をつなげるところにあるからです。しかし、正直私もまだよく分かりません。というのも、まだこれだけでは量子ゆらぎの本質が見えてこないからです。
ですから次回は、量子ゆらぎをまた別の側面、具体的に言いますと、宇宙初期の量子ゆらぎについて見ていきたいと思います。