【水の教え】上善は水の如し

『サイパワー(Psy-Power)』の教えに、次のようなものがあります。

  • 高いところから低いところへ
  • 近いところから遠いところへ
  • 志は遠くに、視線は近くに
  • 小さなものから、大きなものへ
  • わたしから全てへ

今回は、そのうち「高いところから低いところへ」を見ていきたいと思います。

上善は水の如し

「高いところから低いところへ」は、向きを示すものですが、分かりやすく反対の「低いところから高いところへ」を考えると、

頭に血が上る
腹が立つ
逆上する
頭にくる
激高する

等というように、「低いところから高いところへ」の場合、よくないことが多いですね。

老子は、

上善は水の如し。
水は善く万物を利して而も争わず。

と言いましたが、水は決して自分を主張することなく、高いところから低いところへ向かって浸透していきます。

たとえ怒りが湧き上がっても、そこに巻き込まれることなく離れることができれば、自然とその怒りも消えてなくなっていくのです。

水に流す

という表現がありますが、怒りやわだかまりがあったとしても、それを水に流してしまえば、囚われはなくなり、私たちは自由になれるのです。

このように「高いところから低いところへ」は、水の教えと言うことができます。

ちなみに、

足を洗う

という表現もありますが、これは頭のてっぺんから足の先まで、とことん染まりきった愛着の世界から脱却するという意味合いがありますね。

高いところから低いところへ

また、私たちが悩み苦しむ理由の一つに、苦しみの対象と自分が同レベルにあるか、もしくは上に見上げてしまっていることが挙げられます。

例えば、借金が100万あるとします。

この借金100万円という事実は同じであったとしても、1,000万円の資産を持つ人と、職もなく10万円しかない人であれば、同じ100万円でも、見え方が違ってきますね。

つまり、1,000万円の資産を持つ人から見れば、100万円の借金は自分より下に見えますが、職もなく10万円しかない人から見れば、100万円の借金は自分より途方もなく高い壁のように見えるのです。

しかし、たとえ今の段階で職もなく10万円しかなかったとしても、「高いところから低いところへ」を実践することができれば、借金100万円をそれほど大きな存在だと思わずに、苦しむことはなくなります。

もちろんこれは、100万円の借金がなくなるという意味ではなく、借金に対して悩み苦しむ心が解消されて、借金を返済する方向に心のエネルギーを集中させることができるようになるのです。

元記事:苦しみから離れ目的を達成する「水の教え」と「火の教え」

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