今回から数回に分けて、「量子時空(量子的な時空)」について見ていきたいと思います。
先に、結論から言うと、現代科学が追求する量子時空とは意識空間のことだと思います。従ってこのシリーズでは、私たちの意識世界と現代科学が追求する量子時空をつなげていけたらと思います。
さて、高柳匡著「量子エンタングルメントから創発する宇宙」に、次のような内容があります。
物質が「原子のつぶつぶ」から構成されているように、宇宙空間は「情報のつぶつぶ」から構成されているのではないか?
このような考え方が、超弦理論と量子情報理論の境界領域から生まれ、理論物理学の最先端の話題となっています。
情報のつぶつぶとは、「量子ビット」のことで、量子情報の最小単位を意味します。
『物質が「原子のつぶつぶ」から構成されているように、宇宙空間は「情報のつぶつぶ」から構成されているのではないか?』、この内容は素領域理論の素領域に通じるものがあります。
事実、『情報のつぶつぶとは、「量子ビット」のことで、量子情報の最小単位を意味します』というように、素領域理論の素領域と同様、分割不可能な最小単位であることが記されています。
但し、サイポロジー(PsyPology)では、今の段階では量子ビットと素領域が等価であるというより、素領域に量子ビットの性質が備わっているという仮定のもと、「量子時空(量子的な時空)」について見ていきたいと思います。
それでは「量子ビット」について調べてみると、
量子情報の最小単位である。
従来の情報量の単位「bit」に対する単位の表現としては、quantum bit と書くよりは Qubit(キュービット・キュビット・クビット等)と書くことが多い。(中略)
つまり、ビットは0と1の状態しかとれないことに対して量子ビットは0と1と、その重ね合わせの状態を取れるという事である。
とあります。
ポイントは、『ビットは0と1の状態しかとれないことに対して量子ビットは0と1と、その重ね合わせの状態を取れる』という部分です。
ただ、これだけでは分かりにくいと思いますので、下図を見てください。
0と1を、それぞれ1円玉の裏表にたとえて表現した図で、左側の古典ビットは、0か1のどちらかの状態しか取ることができず、観測しても0は0、1は1です。
それに対し右側の量子ビットは、0と1の重ね合わせの状態にあり、観測することで初めて0か1になります。つまり0と1の重ね合わせの状態から、観測することで0か1に「波動関数が収縮」するのです。
量子世界では、このように常識的な考えが全く通用しない出来事が当たり前のように起こっており、素領域にも、このような量子ビットの性質が備わっていると考えると、また新たな面が見えてくるのではないかと思います。